低侵襲手術:関節鏡視下手術

低侵襲手術:関節鏡視下手術

低侵襲手術:関節鏡視下手術について

関節鏡とは、内視鏡の一種で細い管の先にカメラとライトがついたものです。

手術方法

皮膚を1cm程度切開し、関節鏡と処置具等を関節内に挿入し、直接内部を観察しながら、必要な処置を行います。

適応となる主な疾患

    • 肩腱板断裂
    • 反復性肩関節脱臼
    • 野球肘
    • 前十字靱帯損傷
    • 半月板損傷   等

従来、関節の手術は大きく切開していたため、入院期間は長くなり、患者さんへの負担も大きなものでした。

近年では関節鏡視下手術の技術が発展し、安全かつ短期入院でより高度な手術も鏡視下で行えるようになり、出血や痛みも少なくなりました。

腱板修復術(肩腱板断裂)

関節鏡で肩関節の中を確認し、細い処置具や糸の着いたアンカーを使って、腱板を元の位置へ修復します。

手術内容 麻酔 手術時間 入院日数 切開箇所数 手術費用(入院費を含む) 3割負担の場合
範囲が5cm以内
修復しやすい場合
全身麻酔 約2時間 約1カ月 6ヶ所 1,200,000円 360,000円
範囲が5cm以上
複雑な場合
全身麻酔 約3時間 約1カ月 6ヶ所 1,400,000円 420,000円

※ 上記内容はあくまでも目安になります。予めご了承下さい。

術後について

手術翌日
肩や腕の余分な筋肉のこわばりを和らげるためのリハビリテーションを開始します。
4週間程度
装具を装着し、肩を安静に保ちます。
3ヶ月程度
日常生活が可能になります。
4~6ヶ月程度
再断裂に注意しながら、力仕事やスポーツへの復帰を検討します。

※ 個人差がありますので、上記の内容はあくまでも目安になります。

肩関節唇形成術(反復性肩関節脱臼)

関節鏡で肩関節の中を確認し、細い処置具や糸の着いたアンカーを使って、剥がれた骨や関節唇(靱帯)を元の状態に修復します。

ラグビーなどのコンタクトスポーツで大きな外力が加わることがあらかじめ予測される場合は、元の状態に戻すだけでは不十分と考え、肩関節の前方にある烏口突起という骨を肩関節に移植するBristow法といわれる処置を追加し、肩関節を補強します。

手術内容 麻酔 手術時間 入院日数 切開箇所数 手術費用(入院費を含む) 3割負担の場合
修復のみ 全身麻酔 約1.5時間 約14日 3ヶ所 900,000円 270,000円
修復+Bristow法 全身麻酔 約3時間 約14日 3ヶ所 1,000,000円 300,000円

※ 上記内容はあくまでも目安になります。予めご了承下さい。

術後について

手術翌日
肩や腕の余分な筋肉のこわばりを和らげるためのリハビリテーションを開始します。
4週間程度
装具を装着し、肩を安静に保ちます。
1~2ヶ月程度
日常生活が可能になります。
4~6ヶ月程度
再脱臼に注意しながら、力仕事やスポーツへの復帰を検討します。

※ 個人差がありますので、上記の内容はあくまでも目安になります。

関節鼠摘出術(外側型野球肘(離断性骨軟骨炎・関節内遊離体))

関節鏡で肘関節の中を確認し、細い処置具を使って、引っかかりや曲げ伸ばしの制限の原因になっている遊離体(関節ねずみ)を摘出し、傷んでしまった軟骨をクリーニングします。

手術内容 麻酔 手術時間 入院日数 切開箇所数 手術費用(入院費を含む) 3割負担の場合
摘出のみ 全身麻酔 約2時間 約7日 5~6ヶ所 360,000円 120,000円

※ 上記内容はあくまでも目安になります。予めご了承下さい。

術後について

3週間程度
三角巾を装着し、肘を安静に保ちます。
ゆっくりと肘の曲げ伸ばしの訓練のためのリハビリテーションを開始します。
3~6ヶ月程度
肘の痛みがなくなり、全身のコンディションが改善されたのを確認し、現場復帰を検討します。

※ 個人差がありますので、上記の内容はあくまでも目安になります。

靱帯再建術(ACL)(前十字靱帯損傷)

関節鏡を用いて、ご自身の身体の下記部位の腱組織を使用し、新たな靱帯を作り直す再建術を行います。

  • ハムストリング腱(大腿後面の膝を曲げる筋肉)を用いる方法
  • 膝前面の膝蓋腱を用いる方法

どちらの方法で行うかは患者さんのスポーツや活動性に応じて異なります。

当科では、靱帯成分をより広く、適正な位置に再現するために靱帯を2本再建する2重束再建を行っています。

正常な前十字靱帯
正常な前十字靱帯
損傷した前十字靱帯
損傷した前十字靱帯
再建した前十字靱帯
再建した前十字靱帯
手術内容 麻酔 手術時間 入院日数 切開箇所数 手術費用(入院費を含む) 3割負担の場合
再建のみ 全身麻酔 約2時間 約3週間 4~5ヶ所 1,000,000円 300,000円
再建+半月板縫合 全身麻酔 約3時間 約3週間 4~5ヶ所 1,200,000円 360,000円

※ 上記内容はあくまでも目安になります。予めご了承下さい。

術後について

手術翌日
リハビリテーションを開始します。
1週間
膝の曲げ伸ばしを開始します。
4~5週間
松葉杖が外れます。
2ヶ月程度
時期に応じて強度を調整したトレーニングを行います。
3ヶ月程度
ジョギングを開始します。
6~8ヶ月程度
それぞれのスポーツに必要な膝の安定性、俊敏性、持久性等を高めるトレーニングを行い、競技復帰を目指します。

※ 個人差がありますので、上記の内容はあくまでも目安になります。

半月板縫合術・半月板切除術(半月板損傷)

関節鏡を用いて、縫合あるいは損傷部位の部分切除を行います。

半月板は膝関節の重要な役割を担っているため、可能な限り縫合を行っておりますが、縫合が困難な場合は切除部位を最小限にとどめられるように行います。

可能であれば半月板縫合
可能であれば半月板縫合
半月板損傷を認める
半月板損傷を認める
損傷部位を部分切除
損傷部位を部分切除
手術内容 麻酔 手術時間 入院日数 切開箇所数 手術費用(入院費を含む) 3割負担の場合
縫合 全身麻酔 約1.5時間 約14日 2~3ヶ所 420,000円 130,000円
部分切除 全身麻酔 約1時間 約7日 2ヶ所 360,000円 110,000円

※ 上記内容はあくまでも目安になります。予めご了承下さい。

術後について

手術翌日
リハビリテーションを開始します。
5週間程度
松葉杖が外れます。
2ヶ月程度
時期に応じて強度を調整したトレーニングを行います。
3ヶ月程度
ジョギングを開始します。
4~5ヶ月程度
それぞれのスポーツに必要な膝の安定性、俊敏性、持久性等を高めるトレーニングを行い、競技復帰を目指します。

※ 個人差がありますので、上記の内容はあくまでも目安になります。

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